「発掘」された言葉

今ではすっかり錆び付いてしまったぼくのアタマですが、若い頃には、作詞をするのが大好きだったんですよ。
心の内側に潜む感情や、その背景を彩る景色を切り取って表現する………そんなレトリックを楽しんでいました。

でもね、例え自分だけにしか表現できない(であろう)言葉たちに出会えても、結局「歌われるもの」として曲が付かなければ、それは作詞とは言えません。
とても短い「短編小説」、もしくは「エッセイ」のようなものです。
やはり、歌ってもらわないとね。

ぼくの趣味としての作詞は、すでに15年くらい前で滞っています。
それまでは何人かのアマチュアの方が、ぼくの詞に曲を書いてくれたりして、言葉が活性していたのですが、15年くらい前から、公私共に忙しくなって、作詞からだんだん遠ざかって行ったんですよ。
曲を書いてくれる人たちとの付き合いなくなって来ましたしね。

そんな風に長い年月を過ごしてきた今、ぼくが20年近く前に書いた詞を、T.Kurosawaさんというアマチュア(と言っては失礼なほど、かなりのキャリアをお持ちです)のソングライターが曲を書いて、「発掘」してくれました。
T.Kurosawaさんとは二年くらい前に知り合って、何曲かぼくの昔の作品に附曲していただいているんです。
近い内に今の自分にしか表現できない言葉を綴って、ぜひT.Kurosawaさんと共作したいと思っているのですが、一度錆びてしまったアタマは、なかなか元に戻れないみたいです。
でも、いつか必ず実現させてみたいですね。

そんなT.Kurosawaさんが、ぼくが20年くらい前に書い詞に、心地よい曲を付けてくれました。
その曲を、自らのボーカルでWebサイトで公開してくださっています。
普通ならすでに埋もれてしまって、決して二度と目にすることができない作品ですが、こうしてたくさんの方に聞いていただける機会を得られたことに、本当に感謝しています。
インターネットの持つ可能性の豊かさを、改めて実感していますよ。

興味のある方は、ぜひ耳を傾けてください。
http://nextmusic.weez.mu/index.php?command=profmusic&profid=20050523102800