サザエさんの黒電話

アニメの「サザエさん」を久しぶりに見ました。
原作をじょうずにつなぎ合わせた相変わらずのストーリーですが、なんとも言えないほのぼのとした気分にさせてくれます。


中でも相変わらずだったのが、ジリリリリ〜ンと鳴るダイヤル式の黒電話。
あの黒電話の存在が、「サザエさん」の年代を曖昧にしているんですね。
昭和のようで昭和でない、現代のようで現代でもない、そんな不思議な空間に「サザエさん」一家が存在しています。
もしも黒電話が最新式のファックス兼用の電話だったら………、
きっと、
「なせ磯野家にはパソコンがないのか? 番組スポンサーの東芝からダイナブックを提供してもらえ」とか、
「廊下でカツオくんを立たせるのは子どもの人権を無視した行為で、教育上の問題がある」とか、
現実的な「常識」に置き換えた意見が多く寄せられるかも知れません。
昭和の名残を残しながら、現代らしい話題も時折エピソードとして登場させる。
その確信的な作り方が、21世紀になっても衰えない「サザエさん」人気の秘訣なのかなぁ〜。


普段アニメは全然見ない70歳過ぎのぼくの親父でさえ、「サザエさん」で黒電話の音がすると、思わず目がテレビ画面に向いてしまうんです。
そしてそのまま最後まで笑いながら見てしまう。
黒電話はそんな効果的な小道具なんですね。