いかりや長介「だめだこりゃ」

故・いかりや長介氏の自伝「だめだこりゃ」を図書館で借りてきました。
自伝というのはあまり好きではないんですが、バンドマンから一流のコメディアン、そして最後は俳優として人生を全うした長介氏の生き方に、なんとなく興味があったんです。
読み始めたらこれがおもしろい。
たったの二日間で読み終えることができました。


内容のほとんどは「裏話」。
かと言って、石原真理子のように単に売れればいいだけのイヤらしいゴシップ系ではなく、本当に人柄がにじみ出ている語り口に、謙虚で誠実な生き方を垣間見ることができます。
8時だョ!全員集合」について、観客を引きつける細かい仕掛けやメンバーの個性を生かした役割分担など、リーダーとしての統率方法も明かされていますので、解釈の仕方によっては、ある意味ビジネス書としての要素も持っているのではないでしょうか。
思わず「8時だョ!全員集合」のDVDをTSUTAYAで借りて来ちゃいました。


役者として活躍し出した晩年のエピソードでは、織田裕二を師匠として仰ぐなど、あくまでも控え目な生き方に、改めて長介氏の大きさを感じました。
人間はこうしなくてはいけない、という、決まった生き方はありませんけど、こういう生き方ができたらいいな、という選択肢として、この自伝は大いに心に届きましたね。
やはりおもしろい本は早く読める、久しぶりにそれを実感しました。