不快な挑発

それにしてもビックリしました。
前を走っていたクルマが交差点で左折するときに、突然急停車したんですよ。
思わずぼくも急ブレーキです。
きっと横断歩道を渡ろうとしている人がいて、驚いて止まったんだろうなぁ〜、って思ったんですけど、横断歩道にはネコ一匹おりません。
するとそのクルマは何事もなかったように急発進で走り始めました。
なんだ、あいつは………。
そう思いながらそのまま左折して、ぼくも普通に走り出したんです。

すると今度はノロノロ走り始めました。
おいおい、もっとスピードを出せよ、って思いながら後方に近づいたら、これまた急停車を仕掛けて来ました。
思わずぼくも急ブレーキです。

そしたら再びスピードを出したので、ぼくもその後ろをピッタリ追いかけたら、これまた急停車。
これはもうアッタマに来ましたね。
人を挑発るような走り方をするなんて、いい加減にしろ!!
って怒りがピークに達したとき、ふと思いました。
「もしかしたらあのバカは、こっちがぶつかるのを待っているんじゃないだろうか?」って。

もしもぶつかったら、前方不注意や車間距離が短かったとかで、こちらが不利になるでしょう。
無理やり示談を持ちかけられて、大金を要求されるかも知れません。

…………で、赤信号で停車したとき、大袈裟にケータイを掲げて、ナンバープレートを撮影しようとしたんです。
するとそのクルマは、突然右折車線に入って、猛スピードで走り去りました。

結局残ったのは、なんともいえない不快感だけ。
今思い返せば、バンパーが少し歪だったあのクルマ………、もしかしたらぼくのようにすぐにカッとなるタイプのドライバーを求めて、今も急停車しながら市内を巡回しているのかも知れません。