自分のことが見えない人

自分のことが見えなくなってしまう時、って、よくありますよね。
忙しい時や、議論をしていて感情的になってしまった時など、冷静に考えれば「言うべきではなかった」ことが、ついつい言葉になってしまう。
人間ですからね、それはそれで仕方がないと思いますよ。

でも時々だったらいいんですけど、ごく普通に「全然自分のことが見えていない人」がいたとしたら…………、かなりキツイですよね。
実際にいるんです、ぼくの周りにも。

その人、女性なんですけど、とにかく自分のことを中心に物事を判断するんです。
つまり、自分の考え方を他人に押しつけたがるんですね。
その考え方がその場に適していればいいんですけど、自分はこうだったからこうすべきだと、かなり強引なんですよ。
「他人の意見をしっかり聞くべきですよね」と言っていながら、全然他人の意見は聞こうとしない。一方的にしゃべり続けます。

先日もその女性と話す機会がありまして、いっぱしの教育論を論じ始めたんです。
その時は旦那さんも隣りにいたんですけどね。
「どこどこのだれだれはきちんとあいさつもしない。落ち着きがない。笑顔が暗い」
と、相変わらず持論をまくし立てていたんです。

そして彼女がひととおり話し終えた時、旦那さんがボソっと呟きました。
「うちの子の話をしているのか?
あんまり悪く言うなよ。わがままに育ったのはおれたちの責任だからさ」

周りの空気が一瞬凍ったような感じがしました。
彼女はしばらく黙っていましたが、すぐにテーマを変えて話し始めました。
他人の生き方をあれこれ話題にする前に、もっとしっかり自分の周りを見直さないと、それこそ子どもの教育によくないですよ………って、ぼくは彼女にテレパシーを送ったんですけど、届くわけないですよね。