毎日が夏休み

毎日が夏休み デラックス版 [DVD]名門女子中学校に通い、優等生でありながらスケープゴートでいじめに合い、登校拒否をしている娘。
そして、超エリートとして、一流企業に勤めながら、自分に正直になるために会社を辞めてしまった父親。
そんなふたりの間で、見栄と世間体と見せかけの幸せに培われたプライドが、どんどん傷ついてゆく母親。
さらに父親と母親は再婚同士という、今ならありがちな設定で、1994年に劇場公開された映画「毎日が夏休み」を、DVDで観ました。

たまたまTSUTAYAでパッケージを見て、なんとなくおもしろそうだなぁ〜ってレンタルして来たんですけど、本当におもしろかったですね。
10年以上も前の作品だとは思えないくらい「今」を感じましたよ。
自らをバラバラの「スクラップ家族」と称している娘(佐伯日菜子)が、義父(佐野史郎)と共に「なんでも屋」を立ち上げ、最初は反対していた母親(風吹ジュン)を巻き込んで、ひとつの家族に成長して行くサクセス・ストーリーです。

周りの目を気にしながら生きてゆくことの窮屈さ、他人と比較して優越感を覚えたり卑屈になったりすることの愚かさ、そして弱いものを晒し者にすることの醜さを、コメディーっぽくもシビアに伝えてくれます。

ぼくも時々周りを気にして必要以上にナーバスになったり、他人と比較して物事の基準を計ることがあります。
そんな自分の小ささを実感する映画でした。
女房が旅行で不在の時に観たのですが、最初は興味なさそうに部屋にいた息子たちも、途中から興味を持って観ていたようです。
彼らにもなにかしら感じるところがあったんでしょうね。


さて、映画自体の評価は、94年度キネマ旬報日本映画ベストテン第10位、同読者選出日本映画ベストテン第7位という高いものですが、「つまらない」という意見もあり、賛否両論です。
ぼく個人としては、かなり高い点数を付けたい作品ですね。
ちなみに監督は、「卒業旅行 ニホンから来ました」やガメラシリーズの金子修介
原作は大島弓子の同名コミックです。