山口の母子殺害事件に思うこと

ご遺族である本村洋さんの過激な「正論」が、深く心に残る山口県光市の母子殺害事件。
当時18歳の被告に科せられた二審(広島高裁)の判決・無期懲役が、検察側の上告により最高裁第三小法廷で破棄され、差し戻されました。
死刑の善し悪し以前に、よくやった、と思いましたね。

家族を殺された人にしかわからない「憎しみ」や「悲しみ」、そして悲惨な現実を、執拗なくらい強く訴えかける本村さん。
毎日のように殺人や傷害事件が起こっていても、どうしても第三者の立場から逸脱できないぼくたちに、本村さんの激しい言葉が、ご遺族が抱えている本音と、裁判の理不尽を教えてくれます。
次から次へと悲惨な事件が起きても、この事件だけはいつまで決して忘れることがないでしょう。
それだけでも、本村さんの訴え続けた価値はあると思います。


そう言えばずいぶん前、報道ステーションで、被告の男性の父親がインタビューを受けていましたが、ひじょうに無責任な数々の発言に、憤りを覚えました。
この親にしてこの子あり、という言葉を、身に染みて感じましたね。
そして、この被告にしてこの弁護士あり、という皮肉も、なぜか不思議なくらいピッタリします。


人命を尊重するのが大好きな人権派の皆さんは、死刑撤退や、生きている加害者を守ることに躍起になっていますが、死んでしまった被害者や、悲しみの中で生きているご遺族を逆撫でしてはいけません。


日本のように死刑があるから、逆に無期懲役とか、情状酌量や恩赦などがあって、実際の懲役より短い服役で刑務所から出所できたりしちゃうんです。
このような事件の場合、いっそ死刑は止めちゃって、日本もアメリカのように禁固200年とかの重刑にした方がいいのかも知れませんね。
それも独房で、死ぬまで200年、話し相手もなく、ず〜っとひとりで生活するのです。
その方が、死刑よりも辛いと思います。
それでも生きていくことの苦悩は、被害者のご遺族よりは小さいはずです。