ワンマンプレイの親子

「その子ったらね、お母さんから、
『シュートして、ワンゴール決めるごとに100円あげる』
って言われてね、すっごく張り切っちゃって………、張り切りすぎて暴走しているんですよ」

そんな愚痴を知り合いがごぼしていました。

知り合いのお子さんは、小学校のクラブ活動でミニバスをやっているんですけど、そのメンバーのひとりが暴走している「問題児」なんです。

ゴールを決めるたびに100円もらえるものだから、とにかく一度パスされたボールは絶対自分でゴールしようと、ワンマンプレイに徹してしまうんですね。
だから誰にもパスしない。
無謀とも思えるくらい長いドリブルで暴走してしまう。
入りもしない距離からシュートを放ってしまう。

結局勝てる試合も、その子のお陰で負けてしまうんですって。

確かに実力以上の力を開花させるためには、「目の前のニンジン」も必要なときもありますが、こういったチームプレイの場合、個人への「ニンジン」は和をくずす根源になってしまいます。
いくらその子がたくさんゴールを決めても、試合に負けたら意味がありません。
それでも「よくがんばったね。10回ゴールしたら、はい、1000円」って、お母さんはお金をあげるんでしょうか。

なんとなく怖い親子です。