黒木和雄監督、逝く

映画監督の黒木和雄氏が亡くなりました。
亡くなったという報道をテレビで知った時には、いったいどんな映画をつくった人なのか、正直よくわからなかったんです。
宮沢りえが主演した「父と暮らせば」という作品が高い評価を得ていたという以外、黒木監督についての知識は、まったくありませんでした。

でも、今日の朝刊で黒木監督の作品リストを見たとき、ぼくが一生忘れられないと思っていた映画が二本も入っていたのには、ビックリしましたね。
一生のうちで忘れられない映画というものは、そう多くないでしょう。
ぼくにとっても、そんなにたくさんあるわけではありません。

「この映画だけは忘れることができない」

そう感じていた黒木作品は、「祭の準備」と「TOMORROW/明日」の二本です。

「祭の準備」は東京でひとり暮らしをしていた頃、リバイバルで観た作品で、ぼくが初めて触れた「青春映画」です。(アップで登場する竹下景子のオッパイがホンモノか別の女優のものか、結構悩んだのを記憶しています)
そして「TOMORROW/明日」は、結婚して間もない頃、女房というぼくにとって守るべく家族ができたときに観た作品で、淡々とした微笑ましい日常のストーリーと来るべく悲劇のギャップに、唖然とし、涙した映画です。

これらふたつの作品が黒木監督の手によるものだったとは、今さらながらに知りました。
ご冥福をお祈りいたします。