エヴァのコミックがようやく発売

新世紀エヴァンゲリオン」の最新刊(第10巻)がようやく発売されました。
今年はエヴァンゲリオン放映10周年ということで、インターンネットからゲーム、様々なグッズやフィギアなど、たくさんの記念イベントが計画されているようですが、コミックで展開されているエヴァは、未だ佳境です。

アニメーションの庵野エヴァと、コミックの貞本版エヴァとの大きな違いのひとつとして、
「主人公であるシンジの描き方が根本的に違う」
と、ある書籍の対談で、貞本氏が言っていました。
庵野版シンジがよく口にする『逃げちゃダメだ』というナーバスな決めゼリフを、コミックでは意図的に使わなかった、と言うんですね。
つまり、コミック版のシンジは、アニメのシンジよりも内にこもってはいない、と。

同じ主人公で、同じストーリーに沿って描かれている世界観なのに、微妙な違いが随所に展開されています。
改めて最初から読み直すと、「エヴァンゲリオンって、こんなにわかりやすいストーリーだったんだ」って、思わず納得します。
きっとエンディングも、劇場版よりも明確な答えが出てくるものと期待しています。

そう言えばアニメの演出をした摩砂雪氏は、「テレビ版の最終二話がなかったら、エヴァの人気はそこで終わっていた」と言っていましたし、庵野氏も「これから先10年は、このアニメでスタッフ全員を食わせるつもりでエヴァをスタートさせた」と言っていました。
結局10年経った今でも、エヴァは一定の人気を保ち続け、実際に貞本コミックは未だ連載が続いています。

ここまで続くエヴァ人気を最初から想定内に収めていたとしたら………、庵野氏やガイナックスの皆さんのたくましさを実感せざるおえません。
いかにガンダムシリーズが人気を保持しようと、たった一本のストーリーでここまで商圏が拡大したアニメーションは、たぶんエヴァンゲリオン以外にはないはずです。