講演会は好きですか?

ぼくの知り合いに、「講演会大好き人間」がいるんですよ。
いろんな人の講演会に出かけては、講演したその人の生き方や考え方に感化されて帰って来るんです。
その内容を「いい話だ………」と自分なりに理解して、自分の人生に生かしていただければいいのですが、困ったことに、すぐに他人に吹聴したがるんですよ。
それが楽しみで講演会に出かけているみたいで………、あまりいい趣味とは言えません。


さて、講演会といって思い出すのが、とあるスーパーマーケットの創業20周年(だったかな?)を記念して催された式典での出来事です。

ゲストの講演者が、
「(今回の式典で)新たなスタートを切るつもりで、過去に囚われず、イヤなこと、辛かったことはキッパリ忘れて、前向きに行きましょう。その方が思い切っていろいろなことにチャレンジできるはずです」
って、話まとめたんです。

するとすぐその後に登場した創業者である社長が、
「先ほどの講演で、○○先生は過去はキッパリ忘れろとおっしゃいましたが、私はそうは思いません。辛かった過去があるからこそ、今、こうして自分は生きているいられるわけです。どんな過去でも、それを忘れてはいけません。辛ければ辛いほど、覚えておくべきでしょう」
って、正反対のことを言ったんです。

でもね、どちらも正しいことを言っているわけです。
人の考え方はその時々、その場その場で変わるものです。
すべてが講演者と同じ状況にいるわけではありませんから、ぼくは講演会はあまり好きではありません。
特に、教育論やヒューマニズムに関する講演は、大キライです。
それこそ答えがあるものではありませんから、多少の参考にはなるものの、自分でしっかりと考えて行動したいものです。