博士の愛した数式

映画「博士の愛した数式」を、高校生の長男と観てきました。

長男はすでに原作の文庫本を読んでいたので、この映画に少なからず興味があったようです。
ぼくも以前から見たいと思っていましたので、隣接する街のシネコンまで、車を走らせました。(なんたって地元の映画館が閉鎖してしまったので、ホント、映画を観るのもひと苦労です)

さて、映画そのものは、実に穏やかでしたね。
これといった大げさな主張もなく、派手な立ち振る舞いもなく、感動や笑いの押し売りもなく、ただ淡々と流れるストーリーに、自然と入り込むことができました。

博士(寺尾聡)に惹かれて行く家政婦(深津絵里)の素直な感情に、とても共感を持てましたね。

最後まで大した盛り上がりもなく、穏やかにエンドスクロールが終わった時、あんな風に「駆け引きのない人間関係」を息子たちが体験できたらいいなぁ〜って、思いましたよ。
観終わったあと、原作を読んでいた長男は、頭の中で描いていたものと違う映画化に、少し戸惑っていましたけどね。
って言うか、この映画はある程度のおとなにならないと、行間に漂う雰囲気や味わいを実感できないのかも知れません。
前の席で観ていた女子高生三人組も、なんとなく吹っ切れないような顔をしていましたから………。
でも、数字に関する様々なエピソードは、マジに面白かったです。

それにしても深津絵里のエプロン姿、本当によく似合っていましたねぇ〜。
演技を越えているんじゃないか、って思えるくらいのやさしい母親ぶりに、実生活でもきっといいお嫁さんになれるに違いない………って、余計な詮索をしてしまいました。