CMヒットスタジオ!を見て思い出した事

フジテレビの「カスペ・CMヒットスタジオ!アナタを売ります大作戦」を、興味深く見ました。
ぼくは以前、地元の広告会社に勤めていたことがありますので、こんな企画ものを見るのが大好きなんですよ。
広告会社と言っても、仕事のほとんどがチラシやパンフレットなどの紙媒体ですので、コマーシャルフイルムなんて一度も手がけたことはないんですけどね、その分CMに対するあこがれが強いんです。

今は主に画像等を処理する仕事をしていますので、広告とはほとんど縁がないんですが、やはり広告をつくっていた頃が今にして思うととても楽しかったですね。


そうそう、その会社に勤めていた頃、とても変なクライアントがいたんです。
建築会社の社長さんなんですけど、とても売れそうもないプランニングを自分で考えてきて、それで広告を作ってくれとおっしゃったんです。
営業担当者と相談して、これじゃあ広告として成立しないから、いただいたプランをベースに、我々のオリジナルプランを加味して、ラフ案を提出したんですよ。
そしたらその社長さんは、
「どうしてオレが言った通りに作らないんだ。お前たちはオレの考えを無視するのかぁ〜」
って、かなり激怒したんです。褒められると思っていましたから、すごいショックでしたね。

仕方がないので、社長さんの考えた素人プランをそのままデザインして提出したら、今度は、
「どうしてオレが言うとおりにしか作れないんだ。お前たちはプロだろ? だったらお前たちのアイディアを見せろ」
って、これまた怒られちゃいました。

結局最初に提出したものを少しだけ変えてお見せしたら、「これでいい」って、即OK。
いやはや、大いに疲れましたね。
新聞広告やチラシなど、しばらくお付き合いしましたが、あれこれ振り回されるのは会社にとってもリスクが大きかったので、結局仕事をお断りしたんです。
でも、こんな気まぐれな社長さんです。従業員からも次第に見放されて、いつのまにか倒産していました。
一貫性のない人ほど付き合いにくいです。どこかに一本芯が通っていれば、それなり同調しながら前に進めたんですけどね。


おっと、思わずつまらないお話をしてしまいました。

なにかを作るために必要なもの………、それは広告に限らず、その対象となる人やものに対してどこまで心を近づけられるか………が、いちばん大切なんでしょうね。