呪いのB級マンガ

呪いのB級マンガ―好美のぼるの世界「呪いのB級マンガ」(講談社・刊)という突っ込み本を読みました。
ぼくたちの世代なら、一度は目にしたコトがある『好美のぼる』というホラー・マンガ家の作品を、
「ここがおかしい」
「ここが矛盾している」
「さっきと名前が違う」
などなど、あらゆる矛盾やら手抜き検証した書籍です。

検証したのは、と学会の会員である唐沢俊一氏と、その奥さんであるソルボンヌK子氏。

唐沢氏と言えば、貸本時代の名作(迷作)をいくつか復刊させたコトで知られています。(というより、「トリビアの泉」の方が有名かな?)
とにかく、突っ込み方がひじょうに巧い。
それも、単に茶化しているだけではなく、わかりやすく解説までしています。
愛とでも言いましょうか、そんな温かい眼差しまで感じてしまうんですよね。

それにしても貸本時代のマンガって、本当に大らかだったんですねぇ〜。
今だったら、絶対商業ベースには乗らないようなストーリーと、ぎこちないデッサンでも、しっかり単行本として市場に出回っているんですから。
いや、逆に完成された作品が普通の時代だからこそ、このような中途半端なマンガたちが新鮮に見えるのかも知れません。

事実、ぼくの子どもたちはひじょうに面白がって読んでいましたから。

唐沢氏のWebサイトでは、自らが復刊させた貸本マンガの通信販売もしていますから、興味のある方は覗いてみてくださいね。
http://www.tobunken.com/ualib/uatop.html
各タイトルを見ているだけでも楽しいですよ。