スチームボーイ

スチームボーイ 通常版 [DVD]大友克洋監督の『スチームボーイ』。
構想から10年というコトで、かなり話題になりましたねぇ〜。
昨年の公開時に劇場で観ようと思ったのですが、忙しい時期と重なってしまったため、劇場に出かけるコトができませんでした。

で、ようやくDVDで観るコトができたんですけど…………、必要以上に綿密に描き込まれた世界観に圧迫(圧倒ではなく、圧迫です)されて、ちょっと息苦しくなってしまいました。
省いてもいいようなムダなシーンの数々と、「何が正しい」のかを伝えるまでの回りくどさ。
ぼくが感じたデメリットですが、逆に「それが大友作品のいいところだよ」と感じる人も多いかと思います。

でも、なによりもこの作品の世界観を壊してしまったのが、主人公レイの声を演じた鈴木杏
大友監督は絶賛していたみたいですが、あの声の弱さが、すごく作品の質を下げましたね。
レイの設定を13歳ではなく、声変わりの始まる14歳頃にしておけばよかったのに…………。おとなへの第一歩を踏み出す………、そんな変声期の少年が声を担当したら、レイの魅力も増して、作品自体が深くなったと思います。

レイに興味を持つ少女・スカーレットも、エヴァンゲリオン惣流・アスカ・ラングレーになんとなく似ていて、イヤだったなぁ〜。(アスカというキャラクターがキライなのではなく、似ているというところが気に入らない)

この作品を見終わって、正直に感じているのは、「息子たちと一緒に劇場で観なくてよかった」というコト。
レンタルなら200円で借りられるのに、劇場に子どもをふたり連れて行ったら、単純に4,000円くらいかかっちゃいますからね。
それだけの金額に見合う作品ではなかったです。
なぜなら、一緒にDVDを観ていた息子がふたりとも、「ストーリーがよくわからないなぁ〜、つまらない」と、途中で席を立ってしまいましたから。
確かにエンディングまで観るのは…………、ぼくも辛かったです。