異なる反応

地元の大ホールで某サークルの発表会がありましてね、そのリハーサルの時、仕事の関係で舞台裏で待機していたんですよ。
リハーサルをやっている時の舞台裏っていうのは、かなり暗いんですよね。
で、思いがけずに置いてあった照明器具にぶつかっちゃっいました。まさに過失でございます。
ガシャ、という鈍い音がしたその瞬間、すぐ側にいた男性(照明会社のTシャツを着たスタッフ)がふたり、同時に声を発しました。

「あ〜〜あ、ぶつかったぁ〜〜」
「大丈夫ですか?」

同時に聞こえたふたつの声。
「申し訳ない、すみません」、ぼくはふたりにアタマを下げたんです。

そしたら、「大丈夫ですか?」と言ってくれたスタッフが、
「器械は心配しないでください」
と、ぼくを思いやってくれる、ありがたい言葉をかけてくれました。
もうひとりのスタッフは、冷ややかな目をしてぼくを見て…………いたんだろうなぁ〜、きっと。暗くてよく顔が見えなかったから、わからないんですけどね。

ひとつの過失に対してふたりが示した、まったく異なる反応。
人間って、いろいろです。