悪いことの許容範囲

映画『デイ・アフター・トゥモロー』のDVDを、中学1年生の次男と一緒に見ていたんです。
数々の天災が地球上に降りかかるシーンを見ながら、次男はポツリ呟きました。

「ぼく、地球温暖化を防ぐ研究をしたいな」

次男よ、志は立派だけれど、すでに温暖化は研究すれば防げるモノではないのだよ。
いかに進行を抑えて、大気を元の状態に近づけさせられるか………、地球に暮らすひとりひとりの心がけ次第なのだよ…………。
と、言おうとして、やめました。

映画によって、子どもがそういう気持ちになる………、そして意志を言葉にする。
例え実現できそうもなくても、それはそれでステキです。


そう言えば、浦沢直樹氏のヒット・コミック『20世紀少年』(15巻・71ページ)に、こんな言葉が出てきました。

「なんで人は、悪の道に入っていくんだろう。誰でも子供の頃は、正義の味方にあこがれていたはずなのに」

このセリフには、ジーンときましたねぇ。
確かに子どもの頃には、誰もがヒーローに憧れて育っているハズです。
仮面ライダーよりもショッカーが好きだ………そんなひねくれたコトを平気で言う子どもは、まずいないでしょう。

それが成長を重ねるにつれ、だんだん「悪いこと」のレベルを、自分で許容して行くんですね。
これくらいならいいだろう………って。
ぼくにも覚えがあります。これくらいなら………って。

でも、映画にしろ、マンガにしろ、何かしら心が反応するうちは、まだ大丈夫なのかな?
「悪いこと」のレベルを、もっと狭める努力をしないと………。