三重県の観光ポスター

今朝の新聞に載っていたんですけど、三重県の牛肉をアピールする観光ポスター(社団法人・三重県観光連盟発行)が、すべて回収・処分されるらしいじゃないですか。
ポスターのコピーとして引用されていた、池波正太郎氏のエッセイ(『食卓の情景』)が、女性たちから「不快」だと言われたのが直接の原因だとか…………。

「松坂の牛肉が丹精をこめて飼育された処女なら、
こちらの伊賀牛はこってりとあぶらが乗った年増女である」

男性の立場からだとそんなに違和感は感じない文章ですが、やはり女性から見るとあんまりいい気持ちがしないんでしょうね。
牛肉を女性に比喩しているワケですから………。
それも「年増女」という言葉が、県の観光ポスターに登場するのはいかがなものか………、と。

文章を読んだだけだと、伊賀牛の熟成された濃厚なおいしさが「年増女」という言葉とシンクロして、とてもおいしそうに感じるんですけどねぇ〜(おっと、偏見ですね)。

そう言えばずいぶん前にも、たったひとりのクレームから、公共施設のパンフレットだったかぁ〜、とにかく自主回収されたことがありましたよね。

公的資金を投じて作成されるパンフレットやポスターは、あらゆるクレームを想定して作成しないといけません。
「こんなクレームが来た場合、こう説明すれば納得していただける」
そんなマニュアルっぽいものをしっかり作っておかないと、なにかあると、すぐに回収されちゃいますから。
回収された印刷物に関わる費用や時間、そして何よりもその資金源が税金であるというコトを考えると、なおさらです。

今回のポスターで話題になった「年増女」、一般の企業だったら企画の段階で、まず通らなかったでしょうね。
企業イメージがある程度ダウンするのは目に見えていますから………。
その辺の感覚がルーズなんでしょうかねぇ〜、公務員の方々って。