世界の中心で、愛をさけぶ

世界の中心で、愛をさけぶ スペシャル・エディション [DVD]昨年公開された映画、『世界の中心で、愛をさけぶ』を、DVDで観ました。
大ヒットした原作は読んでいませんので、素直に映画の感想だけを言わせてもらえば、
「偶然が偶然を必然に変え、偶然が感動の核になる、偶然だらけのメルヘン」
っといったところでしょうか。

プロセスが省略された「甘い」ストーリー展開に、何度かとまどいながらも最後まで観ました。
………正直、つまらなかったです。

たぶん、恋をしている若い人や、片想いの異性がいる人たちにとっては、ひとつの「恋の指針」になったかと思いますが、とにかくストーリーが突拍子もなく、ちょっときつかったです。

唯一リアルだったのは、夢島で倒れたアキをサクが連れて帰って来るシーン。アキの父親が理由も聞かないでサクを殴るところが、すごくリアルだったなぁ〜。
でも、リアルなのはそのシーンだけ。
残りは「なんでこんなコトができるのか?」「なんでこうなるのか?」「なんで誰も気付かないのか?」といった、疑問の数々が先に立って、映画に感情移入できませんでした。

でも、アキを演じた長澤まさみはよかった。(特に前半、元気な頃)
つい先日、彼女が主演した映画、『ロボコン』を観たこともあって、彼女の素直な演技力に大いに感動しました。
でもでも、長澤まさみは、天真爛漫な明るさの中にちょぴり寂しさが見え隠れする、そんな役柄がいちばん似合っているような気がします。
だからかなぁ〜、『優しい時間』の演技がなんとなくしっくりこないのは………。あれはもう、暗すぎます。

話は逸れますが、『ロボコン』の中で彼女がポツリと呟く「今がずっと続けばいいのに……」というセリフ、そんな印象的なひとことが『世界の中心で、愛をさけぶ』にはなかったというのも、この映画を平べったく感じさせた要因かも知れません。

あくまでも原作は読んでいませんので、独断的な感想になってしまいました。
この映画を素直に楽しむには、ぼくはもう年を取りすぎてしまったのかも知れません。
きっと若い人たちには、何かしら訴えるモノがあったに違いない………とは思っています。