学習障害についての雑感

NHKで放送されている『クローズアップ現代』、今日は学習障害が取り上げられていました。
字は書けるのに読むことができない。
計算はできるのに字を書くことができない。
そんな「視覚」と「聴覚」のバランスが偏っている小中学生が、全体の4.5%、40万人もいるという現実について、その対処法を紹介していました。
中にはそれが原因でいじめに会い、学校の先生からの理解も得られないまま家族で悩み続けている………、そんな問題も生じているみたいです。

かつてはアインシュタイン学習障害に悩まされていたということで、学校生活に馴染めなかったという有名なエピソードの、その理由がわかりました。

そう言えば『3年B組金八先生』でも、トム・クルーズが字を読むことができない学習障害であると、ドラマの中で伝えていましたねぇ。
セリフは人に読んでもらって、それを耳で覚えている………、そんな隠れた努力を教えてくれました。

今でこそ「病気」のひとつとして認知されてかけている学習障害
その原因はなんなんでしょう?

学習障害について、文部省(現・文部科学省)は平成11年に、以下のような定義を発表していました。
 
学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが聞く、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態をさすものである」
 
学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されているが、視覚障害聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、家庭、学校、地域社会などの環境的な要因が直接の原因になるものではない」

結局原因はよくわかっていないみたいです。

他人の気持ちを思いやることができない、状況判断がうまくできない………そんな障害として話題になっているゲーム脳前頭葉の退化)、そして今回の学習障害………、同じフィールド内で語れるものではありませんが、子どもたちの脳が少しずつ冒されていることだけは確かです。

幼児期の子どもたちに「必要以上」の知識を押し込んで、「いい学校」に入るための教育に躍起になっている親御さん、そしてそれを煽っている教育業界。
ゲームや映像など、適齢以上のメディアを子どもたちの欲望のままに与えている親御さん(実はぼくもそうです)、そしてそれを商売にしている企業。
子どもとうまく接することできない、そんな親になれない大人たち。
子育てをマニュアル化しているさまざまな教育書。

学習障害とは直接関係ないかと思いますが、子どもたちを取り囲む今の社会状況、あまりいい方向に向かっているとは思えません。
かと言って、どうしようもないのも現実です、
ホント、これからますます子どもたちの脳がどう変わっていくのか、ちょっぴり怖い気がしています。