東京原発

東京原発 (竹書房文庫)今日はこの冬一番の寒波というコトで、とにかくすごい雪が降り続いています。
新潟県中越地震の被災地では、2メートルを超える豪雪になった地域もあり、いくつかの家屋が雪の重みで倒壊しました。
今後、ますます同様の被害が拡大するかと思うと、本当にやりきれないですね。

ところで今日、昨年劇場公開された映画・『東京原発』のDVDを見ました。
役所広司が演じている東京都知事が、「東京に原子力発電所を誘致する」と、とんでもない構想をぶちまける、社会派エンタテインメント(コメディ?)です。

会議室で都知事と都の幹部たちが繰り広げる議論は、もしかしたら三谷幸喜氏が脚本を書いた『12人の優しい日本人』よりも面白いかもしれません。

ぼくが住んでいる柏崎市には、東京電力の「柏崎刈羽原子力発電所」がありますので、他人事とは思えない感じでしたね。
映画の中にも「新潟の原発」として登場しています。

それにしてもビックリしたのが、映画で明らかにされている原発プルサーマルに関する数々のデータ。
電力会社の「ホンネ」と「タテマエ」、代換えエネルギーの開発に踏み込めない国家予算の現実、耐震強度の真実、原発がつくる電気のムダと矛盾………、よくぞここまで調べたものです。
データのほとんどは制作時(2002年:ただし劇場公開は2004年---この二年間のブランクがなにを意味するのか、なんとなくわかります)のものですので、今とは若干の違いがあるかと思いますが、とにかく勉強になりました。

ぼくは基本的には、原発に反対でも賛成でもありません。
現実として、多くの知り合いが「柏崎刈羽原子力発電所」に勤務していますし、出入りしている業者の方々もたくさんいます。
原発がなかったらこの街がどんな風になっていただろう………、それを考えると、やはり原発の是非に判断をしかねます。
でもこの映画を見て、確実な情報と真実だけは知りたいという気持ちにはなりました。
原発に長年務めている人のお嬢さんが「急性白血病」になった………という話も、ウワサで聞いていますから………。その辺の因果に関するデータも明らかにして欲しいですね。

さてこの『東京原発』、脇を固める役者さんたちも、段田安則吉田日出子岸辺一徳平田満など、個性的な面々が揃っています。
中でも、爆弾テロの少年に拉致(?)されるトラック運転手の塩見三省、いい味を出していました。

この映画を見た人たちが「他人事ではない」と原発の存在を感じてくれたら、「原発の街」で生活しているぼくたちも、少しは気にしてもらえそうです。

この映画のオフィシャルサイトこちらです。http://www.genpatsu.bsr.jp/