死者は生き返る

長崎県教育委員会が実施した「生と死のイメージ」について尋ねた意識調査。
「死者は生き返る」と答えていた小中学生が、全体の15.4%に上るという結果が、今日の朝刊に載っていました。
ご覧になった方も多いと思います。

その背景にはテレビや映画、マンガやテレビゲームなどの影響があると分析されています。
でもそれ以外にも、核家族の進化により、今の子どもたちが身近な人の「死」に遭遇する機会が少なくなっている………、そんな社会状況が原因のひとつにあるのかも知れないですね。
近所のおじいちゃんが亡くなった………、昨日まで一緒にご飯を食べていた曾お婆ちゃんが亡くなった………そんな現実的な「死」に直面する機会があまりなくなっているから、メディア通じてでしか「死」を感じられなくなっているんでしょう。

さて、「生き返る」と言って思い出すのが、北枕です。
北枕は、死んだ人の頭を北側に向けて寝かせるという儀式で、一般的には縁起が悪いとされています。
ぼくも子どもの頃、北枕は縁起が悪いから、北以外の方を向いて眠りなさい………って、よく母親から言われました。

でも本当は、まったく逆の意味だったんですね。

死者を北側に向けるというのは、死んだ人を「生き返らせるための儀式」だったんです。
つまり、北極には計り知れないパワーがあると昔から信じられていて、北側に向けて寝かせると死んだ人も生き返る………、そんな信仰の名残が、間違った知識として今に伝えられているんですね。

それにしても、夢や希望がいっぱいあふれている小学生に、「死」についてアンケートを取るというのも、どんなものでしょうか………。
でも子どもたちの自殺も年々増えていますので、この調査結果が有意義に、教育現場で活かされるコトを期待しています。