心がこもったリンゴ

小学校に通う次男が、大きなリンゴをひとつ、持ち帰って来ました。
秋田でリンゴを栽培している方が、新潟県中越地震の被災地の子どもたちへと、送ってくれたリンゴです。
どれくらいの数のリンゴを、いくつの学校や施設に送ってくれたのかはわかりませんけど、かなりの量になるかと思います。

リンゴの入ったビニール袋には、送ってくださった方からのメッセージのコピーが一枚同封されていました。
余りにも素晴らしいので、全文をご紹介しようと思います。(お名前等は伏せ字にさせていただきます)

「皆さん、どうしていますか。寒くなってしまいましたが、大丈夫ですか?
私は、秋田県の○○○○と申します。
いてもたってもいられず、今の私に出来る事は、私が作ったこのリンゴを送る事でした。
『おじいちゃん、おばあちゃん』
さぁ、まだまだ頑張らなくてはなりません。人生の経験を今、生かす時ですよ。
『お父さん、お母さん』
親の強さを今、しっかり子供達に見せて行く時です。
『青年の皆さん』
いよいよ自分達の本当の街をつくる時です。立ち上がって下さい。
『チビッ子達』
何も恐れる事などありません。みんな仲良く力を合わせれば、何でも出来るんだよ。

このリンゴは、普通のリンゴではありません。亡き父(○○)が、くわ一本で荒れた山々を開拓して育てた、力強いリンゴです。
希望のリンゴです。

『蔵の財より身の財。身の財より心の財すぐれたり』
『冬は必ず春となる』

これは私達全員の災難です。皆の苦しみです。
一緒に戦って行きましょう。頑張ってください。
心より応援しております」

なんとも力強いメッセージです。
学校の先生がどんな言葉といっしょに、この素晴らしいリンゴを子どもたちに手渡したのか、容易に想像がつきます。

どんな支援物資よりも温かくて、心がこもったこのリンゴ、家族で分け合って、ありがたくいただきました。
本当にありがとうございました。