NEET

19歳の少年が両親を鉄アレイで撲殺した事件、衝撃的でした。
今までにも子どもが親を殺害するという事件はいくつか起きていました。
でも、今回の事件でクローズアップされているのは、少年がニートであるということです。

ニートのことを、英語の『Neat=清潔、器用』………つまり潔癖性みたいなものだ思っていたのですが、実は全然違っていたんですね。
NEET(Not in Enployment , Education or Training)=就職、就学のいずれの状態にもない人』。
まったく逆の意味合いでした。

ニートの若者、最近増えてきて、全体の10%を超えたらしいです。
つまり、10人にひとりが、毎日何もしない生活を送っているというから、もうビックリしましたね。
目的意識を持てないというのが、最大の要因みたいです。

ぼくたちが少年の頃には、マンガ家になりたいとか、歌手になりたいとか、実現できそうもない大きな夢を持って、少しでもそれに近づきたいと思ったものです。
でも今の子どもたちはそんな夢を最初から無理だと否定して、もっと身近な目標に照準を合わせているように見えます。
例えばテレビゲームを早くクリアしたいとか、優秀な学校に入りたいとか、すごく小さな夢に向かって、その先にある自分を見据えないで、がんばっているみたいです。
結局その「夢」が実現してしまったら、また次の目標を探す。探せるうちはいいのですが、探せなくなった時、予期していなかった大きな脱力感に襲われてしまう。

ぼくの場合、マンガ家になりたかった………という大きな夢を持っていたおかげで、夢の断片が今の仕事に結びついています。

今の子どもたちに必要なのは、実現できないかも知れない大きな夢を、どれだけ持てるか、ということだと思います。
そうすれば、その夢が実現しなくても、それに向かってがんばってきたという事実が、たくさんの目的に枝分かれして、いろんな可能性を見つけだすチカラになるんじゃないかなぁ………。

子どもの学力ばかり追求している親御さんも、幼い頃には勉強が嫌いで、自分の好きなものに取り組んでいた時期があったはずです。
そんな時期を今の子どもたちにも与えてあげないと、人から教わった勉強だけは優秀なニートが、人から指示を受けないと何もできないニートが、どんどん増えちゃうような気がして、ちょっと怖いですね。