実相寺昭雄・異界への招待

NHK-BS2で放送された「 肉眼夢記 〜実相寺昭雄・異界への招待〜」。
ウルトラマンなどの監督で知られる故・実相寺氏の没後一周年追悼番組で、氏の人間性・映像観をいろんな角度から切り抜いたドキュメンタリーです。


映像を扱うプロとしてのこだわりはもちろん、出会った風景から排便の状況まで、とにかくこと細かく書き留めなければ気が済まないという驚異のメモ魔であったという真実。
そして、ぬいぐるみを実子のように扱う少女のような一面まで、実相寺氏のあらゆる素顔を浮き彫りにした見応えのある内容でした。
特に「美空ひばり事件」(TBSの歌番組で、美空ひばりさんの足のアップ、鼻のアップ、目のアップ、そして会場全体のショットと、ひばりさんの顔のアップがない番組の演出をして大ブーイングを受けたというもの)は面白かった。
ナビゲーターとして登場した作家の京極夏彦氏とメトロン星人の掛け合いも、「異空間」にふさわしい演出で、楽しめました。


実相寺氏が残した名言(?)、『所詮、死ぬまでのヒマツブシ』は、まさに天才である彼にしか言えなかった言葉でしょう。
人生をそんな風に楽しめる人は、今の世の中そう多くないと思います。


NHK-BS2は、時々こんなマニアックな番組を放送してくれるから、あなどれません。
以前も手塚治虫氏の特集や、「あしたのジョー」のアニメを一挙放送したり、興味深いプログラムがいくつかあって、それもほとんどが深夜枠なので、眠いのを我慢して見ていたのを覚えています。(基本的にこの手の番組は録画しても見ないから、できるだけリアルタイムで見るようにしています)


さて、明日25日の深夜から三日間、実相寺氏もかかわった「怪奇大作戦」のリメイクドラマ「怪奇大作戦・セカンドファイル」がアンコール放送されます。
夏の放送は見逃していたので、願ってもいない再放送。
久しぶりにテレビ番組でワクワクしています。