耐震設計よりも、地盤が大切

最近やたらアピールされている「耐震住宅」。

姉歯元設計士たちが企てた、耐震強度偽装マンションやホテルが抱えている問題は別としても、一昨年の新潟県中越地震の影響や、来るべき東海・関東地震に備えて、耐震強度がしっかりしている一般住宅が、ずいぶん前から注目されています。

つい今し方も、72回に及ぶ耐震テストをクリアした………と自信満々のパナホームのコマーシャルが流れていました。
それを見ながら、
「73回目には崩れたんだねぇ〜」
と、感慨深げに女房が呟やいておりましたよ。

でも結局、いくら耐震強度に優れているパナホームでも、それを立てる土地(地盤)が軟弱だったら、もしかしたら50回目で崩壊してしまうかも知れません。
特に田畑を埋め立てた土地は、山を切り崩した土地よりも安定していないと言われています。

実際のことはよくわかりませんけど、耐震設計よりも、それを立てる地盤について、もっともっと考慮されるべきではないでしょうか………。
さらに言えば、地震が起きやすい地層とか、その辺も計算されなくてはいけないですよね。
耐震強度を過信させることも大切かも知れませんが、物事の本質は「地盤」にあると思います。


それってなんとなく、今の日本の教育方針に似ているような気がしましたね。
人間としての地盤を育てる前に、幼い頃から立派な「知識」ばかりを詰め込んでいますから。これだけの知識を備えれば、人生は安全に過ごせますよ、ってね。
その成れの果ての悪い例が、逮捕されたライブドア一連の経営陣かも知れません。
そして、その堀江容疑者のメール問題に揺れながら偽装入院した永田議員も、やはり心の地盤の弱いエリートだったんでしょうか。
耐震設計という、一見壊れそうもない言葉(仕組み)に安心して、それを支える地盤の強弱までは考えていなかった、そんな出来事が最近多いような気がします。