盗まれた自転車

明日から三日間、ぼくの住む街では、「えんま市」というイベントがあるんです。
全国各地から550店の露天商が集まって、市のメイン通りを飾るんですよ。
延べ三日間で、市内外から20万人以上のお客さんが訪れるという一大イベントです。
くじ引きや食べ物などの露店が延々と並んでいて、チープなお化け屋敷や射的などがある、ただそれだけなんですが、妙に楽しいんですよね。

明日からの開催を控えて、露天商の方々が我が物顔で、地割りしたメイン通りでお店の準備しておりました。
本当にあの方々はマイ・ペースです。

ところで今日、長男の自転車が盗難に遭ったんですよ。
それも自宅の車庫の脇に置いておいた自転車を、堂々と持って行かれちゃいました。
高校前期の中間テストというコトで、午前中に帰って来たんですけど、カギをかけないでいたら、なくなっておったんです。
今までもカギはかけないコトが多かったんですよ。
なんたって車庫の脇ですから、まさか敷地内に入ってまでも自転車を持って行く人なんているワケないと思っていたんです。

実はぼくの自宅、「えんま市」の会場であるメイン通りの、すぐ近くなんですよ。
だから、もしかしたら、露天商の方がたまたま前を通りかかって、
「おお、知らない街を移動するのに自転車はベスト・マッチではないか。うんうん。
まるでワシに乗ってくれと言わんばかりにカギがかかっておらんぞよ。
どーしよーかなぁ〜。錆びも少ない高級自転車だし………。
誰も見ておらんな。しめしめ」
ってな感じで乗って行ってしまったのでしょうか?

あ、別に露天商の方を全面的に疑っているワケではないんですよ。タイミングです、タイミング。

一応警察には盗難届を出しましたけど、たぶん見つからないだろうなぁ〜。

そう言えば以前、こんな話を聞きました。
電気工事をやっている知り合いが、民家の塀に脚立を掛けたままその場を離れたんですって。
戻ってみると脚立がない。
はるか前方で、ロシア人(っぽい)男性が、彼の脚立を一生懸命かついで歩いていました。
急いで追いかけて、脚立を返すように促すと、その男性は、片言の日本語でこう言ったそうです。
「捨ててあったので、拾っただけです。ワタシは悪くない」

長男の自転車を持って行った犯人も、こんな感覚だったんでしょうかねぇ?
ホント、情けない。