ちょい間抜けなおれおれ詐欺

おれおれ詐欺』の養成所として、暴力団組員が開いていた『おれおれ中野学校』の卒業生が逮捕されました。
そんな養成所があるなんて、ホント、笑っちゃうほど怖い話です。

実はぼくの身近でも、ふたつの『おれおれ詐欺』がありました。

ひとつめの未遂事件は、県外の大学に通っている長男をお持ちの「ナカムラ(もち仮名)」さん。息子さんの名前は「イチロー(仮名)」くん。
そして、電話を取ったのは、おじいちゃんです。

詐欺師「あ、イチローだけど、イチローだけど」
おじいちゃん「は?」
詐欺師「イチローだよ、イチロー
おじいちゃん「イチローは今、山形の大学に行っています」
詐欺師「……………」
ガチャッ……………。
詐欺師は電話を切りました。

最近の『おれおれ詐欺』は、ちゃんと本人の名前を告げて安心させるんですねぇ〜。
事前に調べてあるなんて、ある意味用意周到です。
でも、なぜこのおじいちゃんが騙されなかったのか、その理由は………、
「普段孫が電話をかけてくる時は、『おれおれ』って言うんだよ。自分の名前を告げたコトなんか一度もないんだ」
ですって。
せっかく名前まで調べたのに、かえって仇になったみたいです。

もうひとつの未遂事件は、もっと間抜けです。
この詐欺は、ぼくの隣の「スズキ(仮名)」さんが遭遇しました。
息子さんの名前は「ジロー(仮名)」くん。会社員です。
電話を取ったのは、おばあちゃん。

詐欺師「おれ、スズキジローだけど」
おばあちゃん「…………どなたさん?」
詐欺師「おばちゃん? おれだよ、スズキジロー」
おばあちゃん「スズキジローは二階にいます」
詐欺師「……………」
ガチャッ……………。
詐欺師は電話を切りました。

こちらの詐欺師はフルネームで自分を騙っています。
いくらなんでも、自分の家にフルネームで電話をかける人なんて、いませんよね。

でも、長年音信不通の身内からだったら………、やっぱ心理的に騙されやすくなっちゃうかも知れません。